恋愛エッセイ 〜高2編 Cross Road 第2話〜




約1ヶ月くらい過ぎたところで担任の先生が席替えをしようと提案した。
席替えは少し変わっていて基本はくじ引きだけど、
その中には横取りもできるくじなどあって、僕は普通の窓側の席になった。
彼女は自由に席が決められるくじを引いた。
偶然僕の後ろの席が空いていて、彼女は他の席も横取りできたけどしなかった。
彼女は空いている席を選んで僕の後ろの席になった。
僕は正直、嬉しかった。
もちろん彼女はそんな僕の気持ちもわからずに選んだはず。

その日から僕は彼女と仲良くなり、高校生活を送っていった。
席替えをして何日か後にケータイの番号を交換した。
彼女のことも少しずつ知っていった。
そのとき彼女は先輩に恋をしていた。
その相談を受けたり、部活でのこととか聞くことが多かった。



ある日、彼女は元気がなかった。
あまりに様子がおかしいのでどうしたのか聞いた。
しかし、彼女は何でもないとしか言わなかった。
休み時間になると友達から励まされていたりしていた。
何度もどうしたか聞いたが教えてくれなかった。



その日の放課後、教室に一人残って勉強をしていた。
そこに帰ったはずの彼女が落ち込んだ様子で入ってきた。忘れ物をしたらしい。
帰ろうとする彼女を引き止めて聞いた。


すると彼女は話してくれた。
昨日部活の練習中の試合で先輩と接触して先輩が捻挫してしまったらしい。
高校総体も近くなっていて、その先輩は出られなくなってしまったらしい。
彼女は自分を責め続けていた。
どうしていいかもわからなくなり部活にも行けないと言っていた。
僕はそんな彼女をどうすることもできなかったけど、彼女に辛いのはわかるけど部活を休んで、
落ち込んでいると先輩までもいい気持ちにはならないから、
今自分にできることをするべきじゃないかと声をかけたと思う。
あえて僕は詳しくどうしたほがいいかとは言わなかった。


きっと彼女はきっかけと、勇気を分けてもらいたかったと思う。
どうしていいか迷ってたというより、彼女の中では大体決まっていたはず。
僕はそんな彼女を軽く背中を押すだけでよかった。


短い間だけど、彼女はそういう人だとわかっていた。


彼女は泣いていた。

自宅に帰ってから彼女からメールが来た。
あの時言ったことがとても励みになったと書いてあった。
僕は嬉しかった。


勝手な勘違いに思われるかもしれないが、恋愛をしていて相手から感謝されたり、
自分のことを気にかけてくれたりしてもらうことが一番嬉しい。
と思う。
そのためなら何でも乗り越えていけるような気がするし。


それから、毎日どちらからともなくメールをするようになった。

僕の心の中では彼女が誰を好きだろうと関係なく彼女に対して想いが強くなっていった。

学校でも休み時間はほとんど話したり、お互いのことを理解していった。

学校祭が近づいて学級委員をしていた僕はクラスをまとめるのに苦労していた。
そんなときも彼女はいろいろアドバイスをしてくれ、手伝ってくれたりした。
いつも優しかった。
なぜか眉毛はいつも細くて鋭かったけど。



夏休みに入って、僕の髪が伸びてきたので彼女から切ってあげると言われた。
あまりの突然だったのでビックリしたけど切ってもらうことになった。
切る場所は教室。
考えると高校の教室で髪を切るのはおかしい。
それでも、彼女はハサミを何種類か持っているみたいで
ボサボサの僕の髪を切ってくれた。
切ってもらっているときには気づかなかったけど、
クラスの女の子から見られていた。
今思えば、彼女と二人きりで連絡を取り合って会ったのは
これが最初で最後だった。



彼女は多分覚えていないと思うけど、けんかもよくした。
彼女は不思議なトコもあって口論になるときもたびたび・・

そんなときにメールでなく次の日の朝にロッカーに手紙が入っていて、
そんなことが2回ほどあった。
仲直りの定番・・?になっていた。


彼女に対して想いはどんどん強くなり、
彼女と日々を重ねるごとに恋愛に対して意識している自分がはっきりわかっていた。
周りの人たちの目線も気になるようになってきた。



ある日・・・


第三話につづく・・・

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