Kontosi 恋愛エッセイ 〜中1・3編 想い再び〜



小学校を卒業して公立の中学に入学した。僕が卒業した小学校と他の4つの小学校から集まってきていた。
人数は40人1学級で、7クラスの280人近くいたと思う。そんな中で僕は4組になった。
そのクラスのなかに好きな人がいた。
出身の小学校はお互い違う。
その彼女とは近くの席になった関係と、同じバドミントン部に所属していたので話す機会は多いほうだった。
中学校は何かと近くの席同士で固まってグループを作ることが多い。
最初はただの友達って言ってしまえば終わりになってしまうが、話をしていくうちに段々引かれていったのかもしれない。


でも、そんな心の中とは裏腹にその彼女に接するときの態度は最悪だと自分でもよくわかっていた。
僕が原因で、喧嘩もした。自分の心の中の気持ちはわかっていたはずなのに、
そのときの僕はそんな気持ちに気づくのが怖かったのかもしれない。
自分の気持ちに嘘をつきながらも、彼女への想いは引かれていった。


そんな関係の中で、周りの人たちに何度も冷かされたこともある。
微妙な半分恋人同士のような、半分お互いの心の中の思いはわかっているが踏み出せない二人を、ふざけて冷やかしたのだと思う。
もしも自分が冷やかす立場だったら、同じコトをしているだろう。
お互い恋人同士の関係でもなく、自分たちの気持ちを打ち明けたわけでもない。
周りの環境に僕も彼女も戸惑い、二人で決めたわけでもないが、すこしずつ距離が広がっていった。
中1年の後半に席も離れ、頻繁に話すことは次第になくなっていった。
いつの日か自分の気持ちはどこかに消えていたような・・・残っていたような・・・


忘れかけていたものが、中3年時にまた訪れた。
毎年クラス替えがあり2年では別々のクラスだったが、3年になって同じクラスになった。
最初は話すことも、目もあわせず、時は流れた。
何かのきっかけで話したのかはわからないが、3年になってはじめて話したとき、変わったね〜と言われたことだけは覚えている。
聞いたときはよく理解できなかったが、後で聞いたところ1年と違って優しくなっていることに驚いたらしい。
確かに、2年のときはいろんな人との出会いで自分が変わった年でもあったと思う。


5月になると引退試合が近づき、部活に打ち込むことが多くなり、夜遅くまで練習した。
遅くなると危ないからということで、途中まで一緒に帰ろうと誘ったところ、意外にもいいよ!と言ってもらえたので一緒に帰った。
それをきっかけに遅くなった日は一緒に帰えるようになった。
ある日、部活が終わって一緒に帰っていた。
雨が降り出し、二人と傘を持っていなかったので濡れながら帰り道を歩いていった。
制服はかなり濡れ、今さらどうにかなる状況でもなかったので、雨が降り続ける中二人で立ち話をした。
よくは覚えていないが、2時間くらいは話していたと思う。二人とも濡れているなんて感じていなかったのかもしれない。
立ち話をしている中で、僕は彼女に自分の気持ちを言おうと一瞬思っていた。
けど、僕はそんなに勇気がある人間ではなかったし、怖かった・・・


今思えばあの時気持ちを伝えていればどうなっていたか聞いてみたい気がする。
いや、そんなことはもう覚えていないだろうか?
引退試合も終わり、彼女と一緒に帰る機会もなくなり、受験勉強に励んだ。
たまに学校で話したりもしていたが、ほとんど話さなくなった。


彼女も高校受験を終え、合格発表の日に掲示板から離れたところで偶然会った。そこでお互いの結果を教えて、二人は別々の高校、進路に向かって歩き出した。


彼女には最後まで自分の気持ちを伝えずに時は過ぎていった。もう会うこともないが何か言うとしたら、謝ることしかない・・・

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