Kontosi エッセイ〜恩師〜


大学で数学の講義を受けている。
高校などとは違い特定の分野に絞ってやっている。自慢でもないが数学は好きだ。
小学6年までは算数が大嫌いだったが中学に入って数学はなぜか“好き”になった。
高校に入って環境はさらに変わった。数学が“好き”という考え方から、“わかる”に変わっていった。

2年になって進学を意識しつつ数学の勉強に取り組んでいた。
そんな中、M先生がきっかけに数学に対する意識が変わった。
授業の後にわからないところは聞きに行くようになり、いつの間にか数学が好きな人5人くらいで固まって相談することも増えた。
2年の後半になると模擬試験が始まり、自分の偏差値というものにぶつかる。
自分では数学が生命線と思っていたが、偏差値を見ると45程度。
つまり、全国平均が50だから平均にも届いてなく、平均まで持ってくることさえ厳しいものだった。
そこから毎日必死に数学をやった。



冬には毎朝7時半からM先生に1時間、数学の補習をしていただいた。
参加する人はよくて3人という感じ。そんな状況でもM先生は来てくださった。
M先生はまだ小さい子供がいて、奥さんに怒られながらも来てくださった。
自分もM先生のそういう姿を見ていなかったら途中でやめていたかもしれない。
M先生のそういう姿が段々意識を変えていった。


数学に対する考え方が、数学を“知る”ということに変わった。
偉そうなことも言えないが、それはM先生や数学を教えてくれた先生方のおかげだと思う。
M先生にはさまざまなことを教えていただいた。
もちろん数学のことも。進路のこと、世間話など数え切れないほどいろんな話をして、いろんなことを学び、話し合った。
大学に行くメリットがはっきりせずに悩んでいるときに、M先生の大学での体験談を教えてくださった。
「大学に行けば自分が出会ったことのないような人とも出会うだろうし、自分の好きなことができる環境が多くそろっている。家庭の事情もあると思うけど、大学に行かせてもらえるなら、頑張って行ったほうがいいと思う。」
と聞いて大学に行きたいと思った。


今現在、大学生活を送っている中で、自分の好きなことをやれている。
HPを作っているし、寮での生活も楽しい。
同じ一つ屋根の下で暮らしていれば、いろんな人のいいトコ、直したほうがいいトコが見えてくる。
それだけでなく、自分の悪い部分もよく言われる。いろんな人から見る視点も違うし感じ方も違うとよく感じる。
でも、M先生が言っていたようにそんな生活が面白い。


推薦入試の小論文が上手く書けなかったときも厳しい一言を言われた。
「まだまだ下手だな〜」
正直、入試1週間前だったのでかなり落ち込んだ。もう小論文の練習もやめようかと思った。
でも、添削をしていただいた先生に励まされながら書き続け、M先生に入試前最後の練習の小論文を添削していただいた。
M先生は最後まで厳しかった。でも自分の弱いところを知っていたからこそ厳しかったのかもしれない。


合格した後も数学をサボっていると授業で当てられまくったこともあった。全然満足いく回答ができずに怒られた。
M先生は合格して緩んでいる気持ちを全て読みきっていた。
“優しさ”を知っている先生だ。
優しさとは生ぬるく甘やかすという意味ではなく、厳しさの中にも優しさがあるということ。
卒業式前まで冗談半分に厳しいことも言われたが嬉しかったりもした。


卒業式、M先生に卒業証書を見せてちょっと自慢してみた。
先生は笑っておめでとうと言ってくれ、きつく握手をしてくれた。
数学の担当の先生を超えて付き合えたことがとても嬉しかった。
そして自分は改めて幸せ者だと感じ、周りの人たちに恵まれていると強く思う。


M先生と約束したことがある。
V・Cのメンバーでバーベキューの約束は近いうちに果たしてくれることを願って・・・

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