Kontosi 恋愛エッセイ〜中2編 素直〜


中学2年の春1年のときのクラスから新しいクラスにクラス替えをした。
僕は新しいクラスメイトと顔を合わせた。
一番初めは出席番号順に並んでいる。
確か50音順に並んでいたと思う。
小学校までは住んでいる地域順に出席番号が決められ、
地域によっても順番が決められていた。
1年のときから同じクラスの人も何人かいたが、
席も遠くてあまり話さなかった。
出席番号の関係で後ろの席のほうの席だった。
みんな最初は慣れないせいか話しても近くの人と話をよくする。
僕の隣の席には同じ町に住んでいる女の子が座っている。
その女の子は前の席の女の子とよく話をしていた。
少しその席になって同じ町の女の子の二つ前の席の子と、3人でよく話をするようになっていた。
クラスの雰囲気も少しずつ和らいできたときに、僕もその3人と話をする機会があった。


そこで僕は同じ町の女の子の2つ前の彼女に一目惚れした。
その彼女はとにかく明るくて、元気な子だった。
隣の女の子と2人で話しているときも「何?何?」と話に加わってくることも多かった。
そんな感じでいつも3人盛り上がりながら話をしていた。
そんなときの時間が楽しかった。いろいろと彼女のことを聞いたり、自分のことを
話したりして、少しずつ彼女のこともわかってきた。
彼女の身長は小さかった。女の子の平均的身長からも比べても小さい。剣道部で、負けず嫌いの性格で声も大きかった。


クラス替えをして出席番号の席も3ヶ月くらい続いた。
もうクラスの人たちの顔と名前も一致するくらいまで仲良くなり、先生も席替えをしようと言い出した。
僕はただ彼女に半分魅かれていた時期なので、少し残念だった。
席替えをどうやってやったかは正確には覚えていないけど、くじ引きでやったと思う。
そのくじ引きで僕と彼女は隣の席になった。
前も言ったかもしれないけど、好きな人が隣の席になるのはあんまり好きではない。
でも、中学は給食のときも班で固まって食べてる。
隣の席の人と向かい合って食べるのも。


他のみんなは仲良く食べている。
最初の頃はその彼女ともいろいろ仲良く話しながら食べていた。
けど、気づいたらいつも言い争いをしながら食べていたような気がした。
お互い部活は入っていたけど、僕はバドミントン。
彼女は剣道。
バドミントンは羽を打っているだけでもない。
相手の嫌なところを探りながら決めていく。
もっと簡単に言うと嫌なところばかり攻めていく競技だと思う。
友達とやっていても、よくセコイと言われる。
剣道は正々堂々と戦う武道の精神がある。
そんな部活でやっている競技の精神の違いでよくもめた。


他のコトも何かしら給食の時間になると、言い争っていたような。
周りからは仲がいいね〜と言われたりもした。
まあ〜言い争いをしながらも彼女のいいところは知っていたし、そんなところが好きだったりもしたから。


そんな相変わらずの片思いで時が流れていく頃、彼女の友達から
「好きなの?」
と聞かれた。
あまりにいきなりだったので、
「違う」
と言ったけど本心は、好きということがわかっていた。
その友達からあることを聞いた。
それは彼女が他のクラスの人と付き合っているということ。
そのとき軽く流したと思う。


それから彼女に聞くこともできなくて、僕は学校でもいきなり静かになった。
給食の時間も言い争いはしなくなった。
普通にしているつもりだったけど、やっぱり変だったのかもしれない。
彼女に
「元気ないね〜」
と言われたこともあったと思う。
廊下で友達から聞いた、付き合っている人と話しているのを見て、あんまり話さないようにしよう。と決めた。
もうひとつ、片思いはやめようと思って自分の気持ちを奥に閉まった。
楽にはなれたけど、少しは気になった。
また席替えもして、結局彼女にほんとうのことを聞かずに彼女への気持ちは離れていった。


もう時間がすぎればそんな気持ちもどこかにいってしまった。
3年はクラスも違ったけど、たまに話して、言い争いと言うより、お互いの嫌味を言い合っていた。
気づけば、付き合っているという噂を聞けば彼女にどうなのか聞くようになっていた。


高校も同じだったけど、学科も違ったから話はほとんどしなかった。
それでも、将来のこととか、高校での部活のこととかは、高校でも廊下で少しは話したりもした。


そんな彼女と会えてよかったと思う。
1年のときは人に厳しくしか接すことができなかった自分に、優しさを教えてくれた。
それは彼女もわからないと思う。
厳しいところは厳しかったし、悩んでるときは本気で考えてもくれた。
彼女からは素直というものを、自然と吸収できたと思う。


素直な心。


一言で言えば簡単だけど、自然に行動や気持ちがそうなることはとても、難しい。
それを当たり前のようにやる彼女は今でもすごいと思う。
言い争いや嫌味を言ってしまったけど、彼女は素晴らしい人間です。

恋愛エッセイ集へ

エッセイ集へ

作詞集へ

ホームへ戻る

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送